デザインが好きという人は意外と多く、やってみるとドンドンこだわりたくなってしまう分野でもあります。
もちろん、こだわりを持つことは良いことなんですが、ビジネスにおいてはデザインにあまりに時間を使いすぎてしまうことが本末転倒なのは言うまでもありません。
情報系ビジネスにおいては、デザインに必要な要素というのは決して多くはないので、基本となるポイントをまずは押さえてしまうことを優先させましょう。
そこで今回は、情報系ビジネスにおけるデザインの普遍的要素となる3つのポイントについて解説していこうと思います。
ビジネスにおけるデザインを構成する2つの要素
人間は普段、色やデザインから無意識のうちに様々な情報を受け取っています。
ビジネスに限って言えば、デザインを構成している要素には大きく分けて、
- トレンド・流行り要素
- 普遍的要素
の2つが存在するんですね。
「トレンド・流行り要素」はどんな分野においてもそうなんですが、例えば1980年代のアイドルと現代のアイドルを比べてみると、髪型やファッションが全く違うはずです。
これはどちらが良いとかいう話ではなくて、単純に昔のアイドルは古臭く感じるよねってことです。
車とかもそうですよね。
40~50年前の車はそれはそれで魅力的ではあるものの、最新モデルの車とデザインを比べてみると古臭さは否めないはずです。
このようにデザインは、「トレンド・流行り要素」というのが確実にあって、この要素は時代と共にコロコロと変わっていくものだということです。
情報系のビジネスにおいても「トレンド・流行り要素」というのがやっぱりあって、例えばブログだと以前は3カラムの左右にサイドバーがあるスタイルが流行ってましたが、最近は1カラムとか2カラムのものがトレンドになってますよね。
こういった感じで、情報系のビジネスにおいても「トレンド・流行り要素」は存在しているものの、あまり気にしなくても良い要素でもあるんですね。
例えばブログなら、多少古臭いデザインだったとしても、中身のコンテンツがしっかりしていれば読者さんに価値は感じてもらえます。
ただし、もう一方の「普遍的要素」に関しては、間違ったやり方をしてしまうとメディアの価値を大きく下げてしまうことに繋がってしまいます。
今から紹介するデザインの「普遍的要素」をしっかりと理解しておけば、少なくとも価値を大きく下げるようなメディアを作ることはなくなりますので、ぜひチェックされておいてくださいね。
というわけでここからは、デザインの普遍的要素となる3つのポイントについて解説していこうと思います。
デザインの普遍的要素となる3つのポイント
情報系ビジネスにおいて、デザインの普遍的要素となるポイントは実は意外なほど限られていて、大きく次の3つが重要なポイントとなります。
- コンセプトカラー
- 文字の読みやすさ
- フォント
というわけで1つずつ、解説をしていこうと思います。
❶ コンセプトカラー
世の中には様々な色彩が存在しますが、人間は色から温度や重さあるいは感情的な要素を本能的・心理的に感じるようになっています。
例えば、寒い・冷たいと書いたときと寒い・冷たいと書いたときでは、受けるイメージが異なりますよね?
同様に、熱い・暑いと書いたときと熱い・暑いと書いたときとでは、同じように受け取り方が変わってくるはずです。
他にも、人間は「重さ」も色彩から感じ取ることができます。
本来なら文字には重さという概念がないはずですが、
この比較のように色の印象によって、重さの印象も大きく変わってくるわけです。
色から温度や重さを人間が感じるのは、進化の過程において視覚から得た情報によって状況をできるだけ正確に把握し、危険を回避できる正しい判断を導き出すための機能だと言われています。
高熱の物体を触ってから熱いと知るよりも、その熱そうな色から推測できればヤケドやケガをせずに済みますし、水の色が普段と異なっていれば、何か異変が起こっていて飲むことを避けた方が良いことが分かります。
こうやって、色から事前に危険を察知できる機能があったおかげで、人類の大きな進化へと繋がったんですね。
また、温度や重さといった要素は「印象操作系」のカラーなんですが、直接相手に影響を及ぼすことのできる「感情操作系」のカラーというのも存在するんですね。
それが、「興奮色」と「沈静色」と言われるカラーです。
これらは普段生活していると感じることは中々ないかもしれませんが、広告や出版などの世界ではよく使われていて、人間の感情を無意識に揺さぶる効果があります。
例えば、ランディングページやセールスレターでは見込み客の興奮度を高めるために、興奮色の代表格である「赤色」が使われることが多いんですね。
というのも、赤色は見込み客の感情を高ぶらせて行動につなげるという点において、最も効果的なカラーと言われているからです。
それに、人間の血液が赤色というのも大きく影響していて、生活の中でも緊急性や異常事態あるいは注意を引きたいときには必ず赤が使われていたりします。
例えば、郵便ポストや消防車、パトカーのサイレンや赤信号などがそうですね。
TVや雑誌の中でも、特に注目を集めたいときは赤を使っていることが多いです。
こういった事例から見ても、赤を使った方が反応を取りやすいことがお分かりいただけるかと思いますし、ビジネスにおいても赤色というのは非常に大きな役割があるんですね。
また、ランディングページやセールスレターの中で、見込み客に特に注目してもらいたい部分に赤を使っておかないと、「普通」「日常的」と捉えられてしまって、感情的に高まることなく読み飛ばされてしまう可能性がアップしてしまいます。
なので、「普通じゃない」「重要」「非日常」といった要素を押し出したいときは、赤色を使うことでドキドキ感やワクワク感を伝えやすくなるんですね。
そもそも、見込み客にはこちらが望む行動を取ってもらいたいので、常に冷静でいられたらその難易度が高まってしまいます。
そこで、ある程度の興奮状態を赤色を使って促進していく必要があるわけです。
また、赤色以外に「黄色」というカラーも人を興奮させる作用があると言われています。
で、黄色には、
- 集中力を発揮させる
- 判断力がUPする
- 記憶力を高める
- 注意を促す
といった作用があると言われていて、何かを目立たせるときにも効果的なんですね。
ただ、黄色は単体で使うよりも赤や黒などの発色性の高いカラーと併用した方が、より効果を高めることができます。
なお、見込み客の注意を引いたり注目を集めたい部分には、積極的に赤色や黄色を使っていくのがおススメなんですが、一方で赤色や黄色を使わない方がいい部分もあります。
それは例えば、自己紹介やプロフィールを書く部分などです。
自己紹介やプロフィールというのは、比較的冷静な状態で信頼感を伝えていく部分です。
そういったときに有効なカラーというのが「紺色」です。
ランディングページやセールスレターには自己紹介やプロフィール欄を設ける必要がありますが、細めの外枠や罫線のような使い方でも良いので、必ず自己紹介やプロフィール欄には「紺色」系の色を混ぜておくことをおススメします。
ちなみに、以下の文字を見比べてみると、受け取るイメージが違うことが何となくお分かりいただけるかと思います。
あとですね、色彩によって年齢層を変化させることも可能です。
例えば、比較的年齢層の高い人たちには、重厚感や文字の重みを感じられるような「濃い色」の方が伝わりやすいです。
一方で比較的年齢層の若い人たちには、「水色」「薄緑」など、淡くて軽いパステル系のカラーが好まれる傾向があります。
ファッションやアプリなどのコンセプトカラーでも、そういった使い分けがされていることが多いので、ぜひ意識してチェックしてみてほしいなと思います。
色彩による心理効果について下記にまとめておきますので、ぜひ参考にされてください。
赤 |
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---|---|
黄 |
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青 |
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紫 |
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緑 |
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橙 |
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白 |
|
黒 |
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- 注意を促したいとき
- 強調してお伝えしたいとき
- 最も強調してお伝えしたいとき
いずれも頻繁に使いすぎると強調の効果が減ってしまうので、あまり使い過ぎないよう注意は必要です。
❷ 文字の読みやすさ
いくら美しいデザインで作られたものでも、情報系ビジネスでは文字が読みやすくなければ何の意味もありません。
なぜなら、情報系ビジネスは「文字ありき」のビジネスで、デザインの役割は文字や文章を読んでもらうことだからです。
それで、文字が読みにくくなってしまう原因には、主に次の3つが考えられるんですね。
- 色の問題
- 大きさの問題
- 改行の問題
例えば、「色」の問題でいうと、黄色背景にオレンジの色で文字を書いても背景の色と被ってしまい、読ませたい文字を目立たせることが困難になってしまいます。
なので、背景と文字はできるだけ対比したカラーを使う必要があります。
またデザイン上、白背景に白っぽい文字を入れる場合などは文字を黒い枠で囲うといったような配慮が必要で、とにかく背景やグラフィックのせいで文字が読みにくくなっていないかを強く気を付けるのがここでのポイントになってきます。
続いて「文字の大きさ」ですが、これは単純に文字が小さくて読むのに目を凝らさなければならないようだとNGだということです。
いくら全体的なデザインが優れていても、肝心の文字が小さくて読みにくいというのは致命的です。
たまに文字が物凄く小さいブログやサイトがあったりしますが、最低限パッと目に入ったときに自然に読めるレベルであるのは不可欠です。
また、淡々と同じ大きさの文字を羅列しておくのではなく、大切な部分や目立たせたい部分は文字の大きさをより大きく表示しておくことも大切です。
最後の「改行」ですが、これも重要な要素ですね。
例えば、先ほどの文字の大きさについての文章を例にしてみると、改行を使わなければ、
続いて「文字の大きさ」ですが、これは単純に文字が小さくて読むのに目を凝らなければならないようだとNGだということです。いくら全体的なデザインが優れていても、文字が小さくて読みにくいというのは致命的です。たまに文字が物凄く小さいブログやサイトがあったりしますが、最低限パッと目に入ったときに自然に読めるレベルであるのは不可欠です。また、淡々と同じ大きさの文字を羅列しておくのではなく、大切な部分や目立たせたい部分は文字の大きさをより大きく表示しておくことも大切です。
といった感じになり、物凄く見にくい文章となってしまいます。
たまに、メールのご質問などでも改行を一切使わずに文章を書いてくる人がいるんですが、自分以外の誰かに見られることが分かっているものは、必ず改行を加えて見やすい文章を作ることが、実は意外と重要なことだったりします。
あとは句読点を上手く活用することも大切ですね。
「、」が全くない文章は読みにくいですし、かと言ってあまりに「、」だらけの文章も疲れます。
改行にしろ句読点にしろ、会話のように自然に違和感なく読める文章を意識することがポイントですね。
❸ フォント
情報系ビジネスは文字を扱うビジネスである以上、使用するフォントも何となく使うのではなくて、意識的な使い分けをしていきたいところです。
基本的にメインとして使うのは、ブログだとゴシック体、ランディングページやセールスレターだと太めのゴシック体がおススメです。
理由は、他のどのフォントよりもゴシック体が一番視認性が高くて、単純に読みやすいからです。
ゴシック体以外のフォントだと「明朝体(みんちょうたい)」も良く使われる有名なフォントですが、明朝体には、
- 線が細いため訴求力がどうしても弱まる
- 堅苦しい感じが出てしまう
- 全体が明朝体だと読みにくくなる
といったデメリットがあるため、日常的に使うのはおススメできません。
ただ、ゴシック体とは異なる雰囲気を出すことができるので、例えば、
自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人でも持ち上がらない。
by ゲーテ
といったように「引用系」などで明朝体を使用するのはおススメですね。
前後で雰囲気をガラっと変えることができます。
また、一口にゴシックと言っても様々な種類がありますが、基本は「ヒラギノ角ゴ」というフォントであれば問題ありません。
あと、僕は個人的にフォントという要素が好きで、ロゴを制作したりするときに色々とこだわったことがあるんですが、情報系ビジネスに普段取り組むだけであれば、あまり一般的でないフォントは使わない方がベターですね。
というのも、TVや雑誌あるいはWebページといった世の中のほとんどのメディアでゴシック体がスタンダードになっており、ゴシック体以外のフォントを下手に使ってしまうと、悪目立ちしてしまう可能性があるからです。
フォントは普段あまり気にする部分ではないものの、ちょっとした配慮を加えるだけで読みやすい文章に近づけることができるので、ぜひ意識されてみてくださいね。
まとめ
というわけで今回は、情報系ビジネスにおけるデザインの普遍的要素となる3つのポイントについて解説させていただきました。
情報系ビジネスにおける正しいデザインには正解というものがなく、最終的には「商品が売れるかどうか」なので、細かいことを気にしすぎると時間ばかりがかかってしまって、ど壷にはまることにもなりかねません。
なので、今回お伝えした3つのポイントをしっかりと基本として押さえていただいて、あとは状況に合わせて色々と試してみてほしいなと思います。
少なくとも、今回お伝えした内容を意識するだけでも、何の考えもなく取り組んでいるライバルよりも何倍も差を付けられるようになりますよ。
自由と自分らしいライフスタイルの描き方
